Home > activities > 2009年秋学期 第0週 報告 その4 佐藤澄子さん 講演
<< 修士論文中間発表 | 2009年秋学期 第0週 報告 その3 新入生自己紹介 >>

クラッシュコース第4日

9月 クラッシュコース第4日
Wieden&Kennedyの佐藤澄子さんの講演。

http://www.wktokyo.jp/

ワイデン&ケネディは二人の創業者によって1982年に小さな広告会社として創業された。当時同じく小さな会社であったナイキをクライアントに仕事を開始した。会社の目的はポピュラーカルチャーの創造に関与して、社会を変える動きに参加することであった。はたしてこの方法でやっていけるのか、という疑問はあったが、志を変えずに、27年たった現在も会社は活動をしていて、世界に7つのオフィスを構え、950人の従業員が働いている。独立系の広告エージェンシーであり、規模は大きくない。広告会社はいまは大きな会社の一部に吸収されてしまっている。だがワイデンはワイデンだけで経営している。したがって、独立系なのだ。

会社はクリエイティビティを維持するためにいろいろと気を配っている。従業員の写真を本社の入り口にかけてある。人々が来たくなる場所を作ることをめざしている。何か創造的なことをするためにワイデンで働くのだ。

会社で行う活動をプライオリティの高い順番で並べると、

1)the work: 創造的なモノを作って行かなくてはいけない。

2)the clinet/agencies relationship:クライアントのワイデンとの関係の質を高め、それを仕事に反映させるようにする。

3)your self to the people: 自分のエゴをわすれてひとびとのためにいい仕事をする

である。また会社は明確なミッションステーツメントを持っている。

we exist to create strong and provocative relationships between good companies and their customers

ここにおいて大切なことは、provocativegood companiesである。provocativeとは訳しにくい概念であるが、ある事柄に対してはっきりと賛成・反対の意見がでるような主張をおこなう、ということである。またgood companiesも大切な概念で、社会や人々にとって「いい会社」とだけワイデンケネディは仕事をする、ということである。

ワイデンケネディ東京は11年前に日本に進出して、始めは赤坂にオフィスがあったが、その後青山に移り、アメリカ本社と同じ雰囲気をもっている。

an effort to see with one Japanese eye and one Western eye
アメリカ人のパートナー John Jayに自分の考えたコピーを説明>>時間がかかったが効果を生んでいった

Find the truth inside the brand

Digging into the brand
何を作っているかよりも、どんな哲学でどのようなミッションをもっているかを理解する

our mission for the NIke brand
to bring inspiration and innovation to every athelete in the world

Steve Prefontaine(1951-1975)交通事故で死ぬ>>このランナーを軸にナイキが展開
アスリーツがアスリーツを支援する

provocative:ゴルフ タイガー・ウッズ

http://www.youtube.com/watch?v=qSRzdXshLow

このコマーシャルが放映されたときアメリカの有名なゴルフコースで黒人がプレイすることを禁じていた。この問題を世の中に問いかけていくprovocativeなコマーシャルなのだ。

広告が消費者にメッセージを送る時代が変わり始めてきた。広告主ではなくて、消費者が意思決定をする時代になってきているのだ。


The consumer decides

この流れをうけてナイキも変わり始める。消費者が変わり、より洗練してきた。高度なエモーションに訴える必要が出てきたのだ。コマーシャル映像だけではなく、練習方法を説明したり、インターネット上で消費者同士がコミュニティを形成する作業を手伝ったり、地域のスポーツイベントの支援などが必要となり、広告の役割は顧客へのサービスになってきた

Honda UKとヨーロッパ
コーポレートスローガンを使って広告を作ることはワイデンケネディは好きではないがホンダのthe power of dreamsは会社の文化だった。そこでプロダクトの広告ではなくてホンダそのものを広告にして顧客にうったえた。

Honda Advert - The Impossible Dream
http://www.youtube.com/watch?v=x13DH6IoIcQ&feature=fvst

ビデオをみれば、雰囲気は一目瞭然だが、かかっている曲はアンディ・ウィリアムスが歌う“Impossible Dream” である。

Kumon

学習塾の魅力を広告で示すのは難しい。まず工夫したのはthinking faceのデザインである。smiling faceではないところが大切。公文のシリアス性、生徒のシリアス性を表現したかった。このマークをバッジにしたり、ノートそのほかをこのマークを使ってデザインしていった。また公文の場所のアイデンティティも変更した。45の国の公文の塾を同じアイデンティティで統一した。そして教育に関するディベイトを生み出そうと試みた。provocativeであるためだ。教育をどのようにするのかを子供に語らせてコマーシャルを作った。2001年の「わたしは今、何を勉強すればいいんですか?」が最初である。10歳の子どもが真剣なまなざしで問いかけているCMだ。

http://www.noproblem.co.jp/works/yonemura/kumon.html

その結果公文が大学生の就職したい企業にランク入りした。現在子供の数が急激に減っている。公文の生徒も減っていたが、広告が始まって増え始めた。従業員も新しいブランドイメージを楽しく思い始めた。自分のミッションを知ったからだ。

Google

Googleは検索サービスとして日本ではヤフーのあとである。世界では珍しい現象で、ここをどうにかしたいということで、使い方のビデオを作り、キャンペーンを行った。渋谷で風船をあげるイベントをおこなった。これは要するに、自分たちのメディアを作るということで、チュートリアルビデオやガジェットがメディアになったのである。

SONY Playstation

最近行っているキャンペーンである。どうすればもっと売れるかを考えた。そのためにはゲーミングのポジションを変える必要がある。つまり誰が使うかを想定して、
ロゴを変えて、新しいアイデンティティを作った。15人の人がゲームをする様子を映像にとってTVコマーシャルとPlayface.jpのサイトを使ってイベントを行った。使い方も作った。いまキャンペーンをおこなっている最中だが、こわいとか変だという反応が起きている。これはねらっていたところで、誰かにはいいが他の人には良くない、つまりprovocativeな広告になっていると言うことである。皆に好かれる必要はない。広告主は自分の顧客としっかりとした関係を生み出す必要がある。これが大切。新しいメディアを作りながら作業を進めている。

ワイデンケネディ東京LAB
音楽を作っていることも紹介しておきたい。

東京の現在

東京はクリエイティブインダストリーにとっては重要な都市である。日本のクラフトマンシップは和菓子からカワイイグッズに広がり、複数の会社によるコラボレーションも盛んである。また作業服の会社のファッション性も高く、自転車文化はダイナミックな展開をしている。スケートボーダーがおとなになり自転車に乗っている。一方で子供たちがスケートボードに乗り始めていて、格好いい。東京マラソンも盛んだ。

東京は現在アートの爆発している場所である。少し前はアジアの都市でアートが盛んだったが、いまは東京だ。
たとえば、Chim↑Pom がすこしまえにおこなった「スーパー☆ラット」展がある。「Chim↑Pom」は若いアーチストのグループ。ピカチュー風にネズミの剥製を塗った展示をおこなった。

http://plaisir.genxx.com/?p=192

また最近活発に活動をしている真鍋大度さんの一連のインタラクティブな作品は非常に面白い。
http://www.daito.ws/

ガンダム実物大展示もおもしろかった。

仕事への心構え

tom peters が言うように speedが大事になっている

http://www.tompeters.com/

Walk in stupid every morning

こころをカラッポにして毎朝歩け
http://www.schneiderism.com/walk-in-stupid-every-day/

ワイデンの創業者はいまだに「ステューピッド」を維持している
Fail Harder
思い切って失敗しろ、

質問: プライバシーと広告にかんしてどう思っていますか。

答え:ワイデンの作品では普通の人が顔を出してコマーシャルに出る。そしてパーソナルなストーリーを語る。このストーリーテリングがワイデンの特徴である。
非常に強い物語を語る。

質問:音楽プロジェクトを始めた理由は
答え:ミュージシャンと仕事をしていて。自分のレーベルを作ったらという話があった。ワイデンは文化へ貢献するという意識があるので、それで行っている。
http://www.wktokyolab.com/

問:キャンペーンがうまくいかないとき
答え: It sucks


<< 修士論文中間発表 | 2009年秋学期 第0週 報告 その3 新入生自己紹介 >>